帝国ニュース北海道版(2016年4月28日号)に弊社代表相馬の記事掲載!

お知らせ2016.04.28 掲載

★社長インタビュー第132回★

地球環境に配慮した研究開発型企業

(株)エルコム

相馬 督社長に聞く

今回は研究開発型企業として知られる(株)エルコムの相馬 督(たかし)社長をお訪ねした。エンジニア出身の相馬社長は、この間、ニッチな市場に向けた製品開発を積極的に行い、現在では地球の将来に配慮した環境分野の製品開発にも注力している。

相馬社長の経営に対する取り組みについてお伺いをした。

(聞き手:札幌支店情報部 柳澤康行)

-設立の経緯についてお聞かせください

 

当社の設立は、1991年(平成3年)4月のことで今年25年周年を迎えました。私は学卒後に最初に入社したプラント機械関連会社で設計業務に携わり、その後数社の勤務を経て37歳の時に独立し、当社設立に至りました。

もともと大学在学中の頃から独立志向が強く、いずれは自分で会社を立ち上げようと考えていました。最後に在籍した札幌の会社では立体駐車場などの設計業務を手がけており、当社を設立してからも、当初は立体駐車場やパーキング関連の業務が主体でした。

 

-立体駐車場関連の製品にも御社の技術力が発揮されています

 

本州の大手企業が北海道でコインパーキングの市場開拓を試みた際に一番のネックとなったのが、冬季の氷雪でした。同じ仕様の機械であっても雪や氷が障害となって上手く稼動をしないことがありました。これらは当社が開発した独自の技術によりヒーティング機能を付設することによってクリアすることができました。

また立体駐車場運営業者の総代理店として営業展開してまいりましたが、そうしたなか狭い土地を有効利用して駐車台数を増やすため開発したのがピット式駐車場です。これは2段~3段式に組み立てをすることで車1台分のスペースで1基あたり2台または3台の収納が可能なもので、入出庫もパレットの昇降により自由に行うことができます。屋外タイプの駐車場には上段パレットに当社が開発したパレットヒーティングを設置することで融雪機能を発揮し、屋根を設ける必要がなく寒冷地での使用が可能となっています。

現在では、当社のこのパレットヒーティングの市場占有率は100%と市場をほぼ独占する形となっています。

 

-研究開発型企業として環境分野の「ものづくり」にも積極的に取組んでいられます

 

地球環境に対する関心が高まり、環境に優しい企業経営が求められるなかで、当社では、環境分野の「ものづくり」にも力を入れています。

企業活動で排出されるゴミ処理に威力を発揮するのが、自動ゴミ圧縮機「PREMO(プレモ)」シリーズです。このシリーズでは処理できるゴミの容量に応じて「PREMO40」「PREMO200」「PREMO400」「PREMO750」の4タイプを取り揃えています。最上級機種の「PREMO750」に付設された専用の240リットルポリコンテナは、口が広く、90リットルのポリ袋の投入が可能です。加圧力は1.3トンで、プッシャーストロークが550mmもあるので、ポリコンテナ内のゴミを深く押し込むことができ、プレスキープを搭載しているため、復元率の強いゴミも確実に圧縮をします。

また、スーパーストアや小売店、工場などから出る発泡スチロールゴミを最大1/25

に圧縮・減容するのが発泡スチロール減容機「STYROS(スチロス)」シリーズです。STYROSは、発泡スチロールを溶かさずにスクリュープレスで圧縮をするため、高熱を伴わず気になる臭いも出ません。熱や溶剤を使った減容機と比較すると電気代も1/5程度に抑えることができます。最終の圧縮物は分子間劣化が少ないので、再生発泡スチロール原料として再利用することができます。STYROSでは、発泡スチロールのほか発泡ウレタンやウレタンボード、アクリルの減容を行うことも可能です。

このほかの製品では、漁場などで堆積した廃発泡スチロールや廃プラスチックから生成したペレットを主燃料として再利用できる専用ボイラー「e-VOL(イーヴォル)」があります。発泡スチロールや廃プラスチックは石油由来の成分を有し、化石燃料と同等程度の高い発熱量があることから灯油や重油の代替燃料として利用することができます。

e-VOLは、主燃料である廃EPSペレット約10kg/hに対して60,000kcal/hの出力能力があり、燃料を製造するのにCO2が灯

油に比べ1/4で済むため、地球環境に優しい製品といえます。

 

-製品開発に向けて留意されている点は

 

私は、ユーザーの利便性を常に考えて、持てる技術開発力を駆使して製品開発にあたること、ニーズを汲んだ製品開発を行うことが大切であると思います。

既存のお客さまとお話ししていて「こういったものがほしい」というご要望を受け、製品開発の端緒となることもあります。もちろん市場調査を行ったうえで、開発期間や先行投資などを勘案しながら最終的に決断をするのですが、お客さまのご期待に沿う形で製品化に至り、お喜びになる姿を目にする時は、この仕事をやっていてよかったと思える瞬間でもあります。

エンジニアとして長年にわたり製品開発に携わってまいりましたが、その際に重視してきたのが「Simple is Best」ということです。機械操作が困難ではなく汎用性の高い製品を安定供給していくことが大切であると思います。

また、ニッチな市場に対する技術力を駆使した製品開発が認められ、この間に中小企業庁の「中小企業ベンチャー賞」を受賞したほか、2015年3月には経済産業大臣より「がんばる中小企業・小規模事業者300社」の1社として表彰を受けております。

 

-最後に今後に向けた抱負をお聞かせください

地球環境に対する関心が高まるなかで当社では「地球に澄んだ森と水と太陽を」をテーマとして今後も事業展開をしていきたいと思います。大気汚染や温暖化などで傷ついた地球を少しでも癒すための製品作りに寄与していければと考えています。

最近では開発途上国であるフィリピンなど海外からも発泡スチロール減容機など環境機器に対する引き合いが増えており、新たにアジア市場向けの取り組みも行っております。なお、5月24日~27日に東京ビックサイトで開催される「2016NEW環境展・地球温暖化防止展」においてボイラーを含めた弊社製品が出展することになりました。

どうぞ当社を今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

-本日はありがとうございました。

 

会社概要

(株)エルコム

企業コード:010469055

本社:札幌市北区北10条西1-10-1

MCビル

電話:011-727-7003

http://www.elcom-jp.com/

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